学童・学生・成人のアトピー性皮膚炎 | 福岡市の皮膚科「桜坂皮ふ科クリニック」

学童・学生・成人のアトピー性皮膚炎

乳幼児期を過ぎると、アトピー性皮膚炎の症状が自然に軽くなり安心してしまうかもしれません。逆に、赤ちゃんの頃は皮膚が丈夫だったのに、年長になるにしたがって湿疹を生じやすくなるケースもあるでしょう。

これらのお子さんの中には気管支喘息やアレルギー性鼻炎を合併することがしばしばあり、中には次から次へとアレルギーを獲得する、いわゆる“アルギーマーチ”を起こすこともあり得ます。

小学校、中学校になると、親御さんはお子さんの皮膚の状態が把握しにくくなります。その頃の患者さんは“かゆみ”に慣れっこになっていて、悪化していることが自覚できていないことも少なくありません。でも気が付くと、シーツが毎日血で汚れている、夜に耳を澄ますと皮膚を掻く音が聞こえてくる…慌てて確かめてみると、ごわごわしたかき傷だらけの皮膚が体や四肢のあちこちに…そんな話を聞くことがあります。

高校生、大学生、そして就職、ますます忙しくなり治療から遠ざかってしまいがちです。成人型アトピー性皮膚炎の一部が極度に悪化した状態になる一因かもしれません。

治療を始めるのが遅すぎた、ということは決してありません。症状に気づいたとき、困ったとき、いつでも専門医をお尋ねください。

学童・学生・成人のアトピー性皮膚炎の治療

外用療法(主にプロアクティブ療法)

小児のアトピー性皮膚炎と同様に、十分な外用治療を行い速やかに悪化した状態を改善し、その後長い時間をかけて良い状態を保つことが大切です。その際、最初の段階で安全かつ十分な外用治療を徹底する必要があります。
また、小児のアトピー性皮膚炎に比較すると治療に根気を要することが想定されますが、適切なゴールを定め、そこを目指して一緒にがんばりましょう。

光線治療

かゆみを和らげるのに有用な補助治療です。とくに当院では局所型・全身型のナローバンドUVB治療器を使用しており、症状に応じて使い分けることが出来ます。

内服療法

外用治療に十分に反応することが出来ない場合、一時的に内服治療を行うことがあります。特殊な内服薬であり、免疫抑制作用やその他の副作用の注意が必要ですので、専門医の管理の下で行うことが推奨されます。
※JAK阻害薬に関しては、大学病院等の基幹病院との連携が必要となります。

生物学的製剤

上記の治療でも十分な改善が得られない場合、デュピルマブ(デュピクセント)やネモリズマブ(ミチーガ)などの注射による治療が選択される場合もあります。